化物語 感想文

自信を持って言える。化物語は、傑作である。一つの、この場合はアニメ作品として、12話(追加分合わせれば13だが未視聴である)で、一つの完結したお話として、傑作である。

(ネタバレ大幅にあるのでかみまみた)

僕は常々、アニメ作品を見終わると(時にはマンガも)、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああという気持ちになってしまう。それはどのような感情かというと、「この世界から離れたくない」という気持ちである。現実、リアルに比べれば、作られた世界、それも僕らと同じものを持ち、究極的には同じものを望む人間が創った世界なんて、良いに決まっている。そっちに行ってしまいたくなるに決まっている。一般にそれは、「逃避」と呼ばれるが、まあこの話はついでだ。今回は化物語を視聴した訳だが、その感情は起こらなかったということが言いたかった。

 先に述べたように化物語は傑作、たぶんこの評価は僕が今のこの、軽い亢奮状態から冷めたとしても変わらないだろう。それはどうしてかと言うと、論理的に、化物語という作品のの素晴らしい点を説明することが出来る、ということが一つの理由だと思う。これからいくつか、現時点で思いつくままにその良かった点等を交えて感想を書いていこうと思う。

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 まあキャラ性が強いってのは認めますよ。それはたぶんここ何年かの風潮っつーか傾向っつーか、あまり歴が浅い僕が言うのもなんですけど、「らき☆すた」あたりからじゃないんですか?こういう、キャラで売る!みたいな方針って。まあこれは全く無責任な発言ですけど。
 それで、キャラ性が強いってのはつまるところ、登場人物は関係ない、物語の筋だけが純粋に面白いんだ、キャラクターが全部と言うことは出来ない、ってことなんですよね。だからそこは認めましょう。一度見れば解るでしょうけど、本当にあれです、傾向別にキャラが立てられていて、逆に笑えてきます。列記するならば、「戦場ヶ原ひたぎは王道」「羽川翼はあのーその優等生キャラ?みたいな?(けいおん!で言う紬の立ち位置です)」「忍野はおっさん」「千石撫子はかわいい」「八九寺真宵はここ10年のトレンド+α」「神原駿河は……(考え中。僕にはこだわりがあって、ここはいい言葉で表現したいのだ)」「忍野忍はもはや犯罪」……といった感じですね。えーと何を言おうとしていたんだっけ?
 そうだ、僕は、物語自体が素晴らしいとは思うんだけれど、それが本当に物語の面白さのみに裏打ちされたものかと言われたら、そうではないかもしれない、いや、むしろそうではないのだよということが言いたかった。だからやはり、キャラ性も含めた上での論にならざるを得ない。そういう点では、物語自体の感想とはいかないかもしれない、というこの配慮、そもそもこんな長ったらしい前置きをしている時点で僕はもうどうかしてしまったような気さえしてきます。そうなんです、まだ前置き、これから色々言うけど良い意味でってことだよ?みたいな旨を告げてから人と会話するような、そんな、人からどう思われるか気にしまくりの前置きなんです。

 さて、何から書いたらいいもんだか。
 では初めに、化物語で何が素晴らしいか、他の作品には無い何があるのか、という問いである。これは前回あまりにもたまらなかったので書いてしまった(という方が正しい)記事にも書いたことであるが、「会話」である。やたら長かったり、難語を使用したりしていて、聞いていて(千石撫子ではないが)思わず微笑んでしまうような、そんな言葉たちなのである。前回からまた見ていくうちに、「暦お兄ちゃんは期待した通りにツッコミを入れてくれる」とか「新良々木くんのツッコミはいつでも腕白なのね」とか、そういった声が聞こえてきた。化物語における「会話」が面白い、という一端にはこの、ビックリマンのキャラクターの技の名前を利用した例えと、それに対してビックリマンのキャラクターの技の名前で例えるんじゃない!という適切(?)なツッコミが入ることが挙げられるかもしれない。そしてテンポの良さも、面白さ指数には乗法的にプラスされるのだろう。ともかく、化物語の会話部分は面白い、というかそれが柱の作品なんじゃあないかと、今思い始めた。いやきっとそうだな。化物語は、会話で話に引き込む、会話主体型のアニメなのだってことで一つ。

 24fpsの動画ってことも特徴かな。正直初めは見ていて何とも思わなかったけどね。僕は一応「フレーム数の違い位は見れば解る」と自負していたので、まあ今思えば若干気付いていたような気もしていますが(見た瞬間明確に、言葉として浮かばなかっただけ)、とりあえず終盤に「ココカラ24fps」的な表示があって、そこから後では解りました。ああこれは違うな~と、違うと言われれば解ります。適切な言葉を持っていなくて恐縮ですが、動画形式?カメラワーク?あの、静止画を表示させて台詞を流したりする、化物語全体の映像におけるスタイルというかこだわりというか、そういうのが映画っぽいとは、初めの方から思っていましたけど。いや、「何か普通と違う」というそれだけの感想だったかもしれませんが、正直なところそこまでは覚えていないのです。映画っぽくアニメを作るってのもまた、物語の主である「怪異」的なものの一つとして意図されたことなのかもしれませんね。

 それから、一番感動したのはラストシーンですね。物語云々もまあそうなのですが、エンディングテーマが流れながら、あの夜空。それで歌詞が痛いほど理解出来た時のあの喜びっつーかなんつーか!!ああもう!たまらん!!エヴァのオープニングテーマ、つまり「残酷な天使のテーゼ」はミサトさんの視点で書かれた歌詞だ、という話をどこかで耳にしましたが、化物語のエンディングテーマ、「君の知らない物語」はヒロイン戦場ヶ原ひたぎの視点で書かれたものなんだなーと最後の最後で気が付きました。かわいいもんです。
 って今歌詞調べて見てみたら、違うんじゃないの……?という不安に駆られた訳ですが、化物語で使用されている部分のみを考慮すれば、充分、戦場ヶ原ひたぎの言であることは説明がつきそうです。
 それでラストシーンで物語の方はそうでもない、みたいな書き方をしましたが、あれはあれで結構良いですよ。でもそれは物語性というよりはキャラ性なので、少し抑えめで感想文を書いているだけです。僕はきっと化物語というアニメ作品の、アニメとして良い所を書きたいのだと思います。これまでのようにキャラクターに頼った感想、つまりは感情論、この子はかわいいだのかっこいいだの回転がすごいだの、そういったことではないことを書きたいのだと思います。その意味でも、化物語は他の作品とは一線を画したものなのではないかと~ああ、少し言い過ぎかも知れませんが~考えます。

 でも何というか。11、12話は「つばさキャット」関係なくね?解決シーンがあっけなさすぎて拍子抜けしました。戦場ヶ原との話が全然伏線とかではなくて、何故か普通に並行して行くというので笑いました。話数が足りな過ぎてそういった進行にしたのかもしれませんけどね。いや、でも戦場ヶ原との話は、それだけを纏めても化物語として薄いという判断があったんでしょう。うん、たぶんこっちの方が正しい。

 それにしても、後半に進むにつれてツンデレちゃん、戦場ヶ原のデレ要素が垣間見えるようになってきていましたね。僕はまあ、結構複雑ではあるんですけど、ああいうのも好きです。「わざと"新良々木"と"ゴミ"を言い違える」というのは、あまりに臭すぎてイラッとしましたが。それも気持ちの表れなんだよ!と言われればまあ、反論は出来ません。仮にあのくらい毒を吐かれても、僕はそんなに上手い切り返し、當意即妙とはいかないだろうと思います。その辺りを考えればココロが現実に戻りますね。

 うーん……まあこんなところでしょうか。残念ながらそろそろ眠くなって参りました。普段は一作品に一人くらい、キャラクターにおいて僕のベストを決めるのですが、化物語はそれがすんなりいきそうにないんですね。まあ~戦場ヶ原ひたぎさんですかね。登場回数多かったからかもしれませんが。普段の僕なら神原さんを選択するはずなのですが……よくわかりません。
 みんなを「キャラクター」として客観的な目線で見ているのでしょうか。それは嫌だな~。もっと感覚的に観たいですね。言葉をなくして観たい。ココロをフィルタとして機能させずに、ただ迎え入れるだけの、それも、小さなゆらぎも見逃さない増幅器としてココロを機能させたいですね。

 まあ、ここまで長々と書いてきましたけど、とにかくですね、化物語は傑作です。大事なことなので何回でも書きます。この作品を観て、色々考えさせられることもありました。「欲しいなら作ってしまえ」という自分の本質を見て(未だに"審議中"ということで逃げていますが)、吐きたくなったこともありました。この感想文を書いたこと、それも含めて。僕は多くをこの作品から得ることが出来ました。本当に感謝しています。
 この出来であれば、たぶん二期もあると思いますが、とりあえず最後に次回作への期待を込めて。僕は寝るとしましょう。あああ、一時間以上かかりました。

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